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イベントレポート「国際交流×サイエンス with バッタ博士」

こんにちは!
運営メンバーのかのんです🌷

今回は8月10日(土)にアフリカのバッタ研究で知られる、前野ウルド浩太郎さんをお招きして開催したオンラインイベント、
「国際交流×サイエンス with バッタ博士」
の当日の様子をお伝えします✍️

私もファシリテーターとして参加させていただきましたが、
イベントではバッタを追ってアフリカに渡られたウルドさんの挑戦する姿勢や、困難に打ち勝つ方法をお聞きしたり、参加した中高生で熱いディスカッションを交わすパートもあり、盛り沢山な時間でした!🌟

ぜひ、イベントに参加してくださった方も、そうでない方もこのレポートからイベントの様子を味わっていってくださいね!

はじめに、ウルドさんがどのような方なのかご紹介させていただきます!

前野 ウルド 浩太郎(まえの うるど こうたろう)
昆虫学者(通称:バッタ博士) 
1980年秋田県秋田市生まれ。国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(国際農研)主任研究員。アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術の開発に従事。モーリタニアでの研究活動が認められ、現地のミドルネーム『ウルド(~の子孫の意)』を授かる。著書に、数々の賞を受賞した『バッタを倒しにアフリカへ』、『孤独なバッタが群れるとき』、『バッタを倒すぜ アフリカで』などがある。

運営メンバーのたいきがウルドさんのファンで、そこから実現したこのイベント。実際に当日はたいきが司会としてイベントを盛り上げてくれました!!👏

前半パートレポート

イベントはまずウルドさんによるご講演からスタート!
25分間濃密なお話を聞かせていただきましたが、特に私が印象的だったのは

  • 研究を続けられる中で直面する困難の乗り越え方

  • ご自身の「絶対無二」を確立すること

です。

研究を続けられる中で直面する困難の乗り越え方

なんと、バッタを研究しはじめたきっかけは”たまたま”だったとのこと。

幼少期に読んだファーブル昆虫記で昆虫や研究することに興味を抱いたウルドさんでしたが、研究の道に初めて進んだ際に、その研究室先生がイナゴの研究をしていたことが始まりだったそうです。
その後の研究室でバッタに出会いましたが、研究を続ける道のりの中には険しいものも多く、同年代の学生が楽しい日々を過ごす中、バッタの飼育や実験に1日中追われるという期間もあったとか。
また、実際にアフリカに渡っての研究でも、環境的な制限や言葉の壁など直面することも多々あったといいます。

幼い頃関心を持った研究職の忙しさやその過酷さに、”夢の裏側”を見ることとなりましたが、それでもなお研究を続ける背景には、一つのことを解明するとさらに疑問が湧き出てくることにありました。

研究といえば複雑で操作の難しい機械を使って...という過程を想像しがちですが、ウルドさんの場合は、アフリカの砂漠という限られた環境の中でのフィールドワークのため、あえてローテクを用いてみたり、そうした工夫を糧に研究を進められたそうです。

『絶対無二』を作る方程式

アフリカでの研究活動を経験されたウルドさんでしたが、日本国内では蝗害が発生しておらず、そのことからバッタ研究の認知度や必要度自体はそう高くなかったために、国内でのポストを探すのに苦労した期間があったといいます。

そんな中でウルドさんは、

  1. 国民がバッタや蝗害について知る

  2. 政府が動き出す

  3. バッタ研究の必要性・重要度が高まる

という黄金方程式を生み出し、そこから国内でのバッタやそれによって引き起こされる問題についての知名度を上げるための活動を始めます。

ウルドさんの著書の表紙のようなバッタのコスチュームを着るなど、かなりユニークな方法をとっていましたが、こうした長年にわたって国内でバッタに関する活動・研究をやり続けてきたことが「バッタ博士」としての現在のウルドさんの無二性を築いたそうです🦗

講演後は参加した皆さんや私たち運営メンバーからの質問タイム!🔎
たくさんお答えいただきました✨

以下、その中で出たご質問とウルドさんの回答を一部ご紹介します!

Q.研究中に、結果が出ず苦しいこともあったと思うのですが、その際も研究を続けるうえでどのように乗り越えられましたか?特に強いメンタルの維持の方法を教えていただきたいです。

 A.物事はそもそもうまくいかないものだと考え、「がっかり」が少なくなるような心持ちでいる。
研究は複数を同時進行しており、そのうち一つはチャレンジングなもの、もう一つを必ずうまくいくであろうものにする。一方がうまくいかなくてももう一方がうまくいくので、メンタルの維持につながる。

Q.楽な道より厳しい道を選ぶ方が後々自分を高めることにつながるとおっしゃっていたのですが、自分自身現在勉強や部活できつく、楽な道に行きたくなってしまいます。きつい道を選ぶために自分をどのように奮い立たせていますか?

A.物事はそもそもうまくいかないものだと考え、「がっかり」が少なくなるような心持ちでいる。

Q.アフリカでは不便なことが多々あると思いますが、逆にアフリカにあって日本になく不便を感じたり、これが日本にあればいいのにと思う物や文化などはありますか?

A.日本はルールなどが厳格だが、アフリカはある程度適当。バスの時間も、生活のルールもかなり日本に比べると緩い。アフリカの人に「なぜ時間が守れないの?」と思うこともあるが、「気楽で良いな」とも思う。

ここでウルドさんによるご講演、イベント前半パートは一旦終了!

後半パートレポート

後半パートでは参加者の中高生がブレイクアウトルームに分かれてディスカッションをします🗣
「アフリカといえば思い浮かぶものは?」とアイスブレイクの妄想自己紹介でウルドさんの訪れたアフリカの地への思いを馳せた後、それぞれ講演の感想を交流しました☺️

そしていよいよ本題!
「あなたならどうする?」というテーマのもと、二つの状況について自分たちならどう対処するかを話し合います。

まずはじめに話したのは、
1.海外に留学したあなた、でも自分の知っている言語を誰も話さない!?あなたならどうする?!
という状況です。

中高生からは

  • 周りの共通言語が話せる友人に通訳してもらう

  • 感情や身振り手振りを使う。ただ、文化によって伝わらないこともあるのが難しい。

  • 単語だけでもいいので、なんとか言葉を繋げて話す

といった意見が出ました🙌

次に交流したのは、
2.苦しい状況や難しい問題に直面した時、どんなアプローチをすべきだろう?
というお題。

  • 人生は練習なしの一度きりなので、とりあえずやってみる

  • 周りの友人や大人に相談してみる

といったアイデアが出ていました!
どのグループでも、時間が足りなくなるほど熱いディスカッションが繰り広げられており、時間が過ぎるのがあっという間でした❤️‍🔥❤️‍🔥

そんな中で、二つ目のお題を全体で交流した後にウルドさんがおっしゃっていた言葉がとても心に響いたので共有したいと思います💌

それは、「周りにいい大人を見つける」ということです。
若くして経験が少ない中で困難に直面することは多々あり得ますが、自力で解決することは勿論一つの克服方法ですが、その中で道標となってくれるような大人を見つけることも必要だといいます。

本を読んだり、そこでロールモデル(自分のお手本となる人物像)を見つけることで自身の目標が生まれる、ということを講演の中でもお話していらっしゃいました。

この講演中のロールモデルのお話と、ディスカッション後のお話を聞いて、自分の中でのお手本や導を見つけることの大切さを改めて感じました。

世界とサイエンスの繋がりだけではなく、苦しい場面や世界を渡り歩くための気持ちの持ち方につながる部分にも、今回のイベントから吸収できたものがかなりあったかと思います。

終了後には参加者の皆さん・ウルドさんと一緒に記念撮影でパシャリ📷

とっても濃密な時間で、あっという間にすぎてしまいましたが、その分たくさん刺激を受けた機会でした💥

参加してくださった皆さん、ウルドさん、改めて今回はありがとうございました!🙇‍♀️

このイベントレポートを最後まで読んでいただきありがとうございます!
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これからも#せかい部では、皆さんの世界や留学への扉を開くようなコンテンツをどんどん発信・企画していくので、引き続き投稿をお見逃しなく!👀

それではまたお会いしましょう〜!Bye!👋

(かのん)

これからもせかい部は、みんながまだ知らない世界への扉を提供し続けます!
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