世界との架け橋✈️~ZIPAIRのパイロットさん、CAさん、広報・路線マーケターさんにみゆきとあやながインタビュー!~【前編】
こんにちは!#せかい部高校生運営のあやなです!今回は、#せかい部高校生運営のみゆきと一緒に成田空港へ行って、航空会社のZIPAIRで働かれている、パイロットの速水真吾さん(写真左)、CAの佐藤つぐみさん(写真左2番目)、広報の熱田雄大さん(写真左3番目)にお話を伺ってきました✨
ーそれぞれの自己紹介をお願いします。
熱田さん(以下、熱):ここに来る前は、成田空港に勤めていて、今は出向という形でZIPAIRにいます。ZIPAIRでは、広報とホノルル路線マーケターなどをしております。本日はよろしくお願いいたします。
速水さん(以下、速):最初は、パイロットの自社養成コースで日本航空に入社しました。 その後、訓練を経て、ボーイング747-400型機という2階建ての飛行機でヨーロッパやアメリカなどの長距離路線を飛んでいました。その後、ボーイング767型機に移行しました。そして、2012年に退社して、シンガポールの航空会社に入社。約9年働いて、2021年にZIPAIRに入りました。今、こちらで機長と路線教官をやっております。よろしくお願いします。
佐藤さん(以下、佐):私は、客室乗務員をやっております。経歴は、香港で、LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)を1社、フルサービスキャリアを1社経験していて、エアバスの小さい機体からボーイング777型機という大きい機体まで経験しております。去年の10月にZIPAIRに入社したばかりでここでは新人なので、至らない点はたくさんございますが、本日はよろしくお願いいたします。
ー学生時代は何をされていましたか。
熱:高校時代は、バスケットボール三昧でした。膝の靭帯を切るというケガをしまして、 リハビリ期間バスケができなかったので、留学でもしようかなって思い、春休みに1ヶ月間のアメリカ短期留学をしました。
速:私は、埼玉の男子校に通ってました。硬式テニスをやっていて、スポーツにずっと打ち込んでるような感じで、まだ海外とか全く考えておらず、英語も全然喋れないような状況でしたし、大学受験だけを見据えて、スポーツと勉強を頑張ってる生活でした。
佐:私の地元は名古屋で、インターナショナルスクールに3歳の頃から通っていて、高校時代はバレーボールとソフトボールに打ち込んでいました。インターナショナルスクールに通っていたので、自然と大学は海外に行きたいなと思い、カナダの 4年制の大学に入ることに決めました。
ーこの業界を目指そうと思ったきっかけは何ですか?
熱:大学時代に留学で世界中の学生たちが集まるプログラムに参加したので、世界から見る日本を学ぶ機会が多くありました。その時に日本の文化や、食生活、アニメなどがすごく人気で、日本がすごく誇らしく思えたんですね。そこから日本と世界を繋ぐような仕事、発信していくような仕事したいなと思って、航空業界って1番いいんじゃないかなと思いました。その中でも空港は、日本の玄関口として、日本の印象みたいに決まるものなのかなって思うと、やりがいがあるんじゃないかという気持ちで、成田空港を志望しました。
速:私は大学3年生の時に初めて海外旅行に行きまして、 たまたま乗った飛行機で、今ではありえないことですが「もしよかったら、コックピットと見学しますか。」とフライト中に言っていただいて、その時にコクピットっていう世界を初めて見ました。すごいなっていうのが、やっぱり最初の印象で、こんなところで何やってるかわからない、いっぱい機械がついてる、スイッチがついてる、 どうやってやってんだろうっていうようにすごい興味を持って、頭の片隅で、パイロットってすごい仕事なんだなっていうのがありました。パイロットの試験って6次試験まであって、大学の3年生の終わりぐらいから受けられるんですよ。 これって面接の練習になるかなと思って、最初は軽い気持ちで出したんですが、運が良かったのか、たまたま適性があったのかわかりませんが、選考が進んでいきました。4次試験ぐらいの時に機長との食事会があって、話してるうちにすごい楽しそうな仕事だな、なれたらいいなと自分の中で思いました。そして、最終的に合格をいただいて、今に至るって感じですね。
熱:面接やっていくうちに、だんだん本気度が高まったと
速:そうですね。
熱:最初はちょっと不純な動機だったんですね(笑)
佐:私がエアライン業界を目指すようになったきっかけは、幼い頃に家族旅行でオーストラリアに行く機会が何回かあって、 飛行機=楽しい家族旅行に行ける特別な乗り物っていう感覚がありました。その特別な乗り物にお仕事として乗っている方たちは、すごく羨ましいなと幼いながらに思って、 この仕事に就きたいなと思っていました。その頃はエアラインを受験するにあたって、大学で何を専攻しなければならないとかの規定が客室乗務員はあまりなくて、美術、経済、言語などいろんなことを学びたいと思ったので、海外の総合大学に入ろうと思いました。日本人を採用するエアラインは、日本で採用の面接があるので、大学を卒業後、日本に帰国してエアライン受験することになりました。
★ZIPAIRでのお仕事について
ー職場の雰囲気はどんな感じですか?
熱:元々いた成田空港会社とZIPAIRを比べると、全体的にすごくエネルギッシュな印象です。ZIPAIRはまだ若い会社なので、 スタートアップみたいな雰囲気があるんじゃないかなと思います。新しいアイデアを実現してみようと思う人が多かったり、少人数なので、決断する時のスピードが早くて、ぱっぱと物事が進みます。1人何役もいろんな仕事をしなければいけないけど、様々なことをやれる機会がたくさんあります。
速:シンガポールの航空会社もZIPAIRもほぼ立ち上げと同時に入ってるので、似たような状況なんですけれど、どちらもアットホームな感じですかね。人が少ないってことは、お互いの顔がわかるし、フライトの時も知らない人と飛ぶってことは、なかなかありません。なので、意見を言いやすいとか、意思疎通を取りやすいとかっていうのがありますね。先ほども言ってましたけど、小さい会社なので、日本航空時代と比べると、スピード感がありますかね。
佐:風通しがいい会社だなって感じています。先日も、ユニットミーティングという様々な客室乗務員の人とかがグループ分けしてディスカッションしたり、役員の方と雑談する機会があって、その時にも、やっぱり自分がもっと会社にこうしてほしいっていう意見だとか、こういうことができたらいいなっていうアイディアとかも直接役員の方にお伝えして、そのままレスポンスももらえたりします。
ーそれぞれの業種で、ZIPAIR特有だなって思うことはありますか?
熱:他の会社とかだと、いろんな上司に伺いを立てて物事を進めていくんですけど、我々の場合は人数が少ないので上には3人ぐらいしかいないので、そこをクリアすれば、運賃を変えて、セールをやって、フィードバックがすぐに来ます。自分が業務を動かしてるっていう手触り感みたいなのが感じられます。大企業になると、分業になっていくので、自分の業務は、全体の中の1個で、こういったことはあまり感じられないものでした。それが今、私がセールを実施したから売り上げがこのくらい変わったんだ、みたいのもありますし、逆に言えば、責任も大きいですが、やりがいはあるなって思いますね。
速:ZIPAIRは、いろんな会社で働いてきた人たちが集まってる会社なので、そういう部分ではみんな経験も違いますし、経歴も違うので、すごい刺激になりますね。話してて、あ、そういうとこ飛んでたんだとか、そんな飛行機飛んでたんだとか、学ぶことがいっぱいあります。
佐:前の職場は大きめの会社だったので、毎便、全く知らない方と飛ぶことが多かったです。なので、本当に一期一会って感じでした。ZIPAIRだと、小さい会社なので、 何回かご一緒させていただける機会があって、何回か飛ぶうちに仲良くなれるので、チームワークが良くなっていくかなと思います。ZIPAIRは本当にいろんな会社からの経験者が来ていて、お話を聞けるのがすごく楽しいです。
ー他社では経験できないような業務はありますか?
熱:ZIPAIRは、1人何役もやります。私だと、広報もやりますし、マーケティングもやりますし、ECサイト(オンラインショップ)の担当もしたりとか、SNSとかにも、ちょっと顔出してみたりもしてます。なので、ZIPAIRだとできないことはないというか、やりたい人は手を挙げればいろんな仕事ができるのが他の航空会社とは違うところかなと思います。
速:運航の世界では、パイロット自体の仕事は、どこの会社も変わらないですね。この会社の特徴としては、フルサービスじゃないけど、LCCでもないっていうような、ちょっと新しいコンセプトでやっています。安全性は日本航空の整備を使って安全性を保ってるし、ただ、いらないサービスはお金を出してもらう必要がないので、例えば、機内ではWiーFiを使い放題にして、その代わり画面がないような座席を使ったりとか。 そういうサービスをやってるのは、ZIPAIRならではかもしれないですね。
佐:ZIPAIRでは客室乗務員のことを”ZONE(ゾーン)”って呼ぶんですけれども、ゾーンという職種は、客室乗務職も行いますが、地上業務もありまして、例えば、GAっていうゲートでのパスポートチェックなどを行う業務や、PHSという、いわゆるグランドスタッフがやるような、チェックインの業務などを行ったりします。あとはオフィス業務の兼務などもあります。同じ客室乗務員の方で、SNSの運営をしていたり、マーケティングに関わっていたりする方もいます。 なので、客室乗務員として採用はされているんですが、こんなにたくさんの職種を経験できるのは、本当にZIPAIRならではだなと思います。
熱:その中で、結構1つすごく特徴的だなと思っているのが、チェックインカウンターの業務も客室乗務員の業務もやっていると、お客様の対応やサービスがすごく手厚くなるんですよ。例えば、チェックインカウンターで、機内食はいつ出てくるんですかって聞かれても、おそらく普通は、空を飛んでないのでわからないんですけど、我々の場合はそれもお答えできます。逆に機内で、この入管書類合ってるかって聞かれても、おそらく客室乗務員は、地上のことはわからないので普通はお答えできないことも対応できます。
ーこの業界の仕事をやっていて、よかったと思う時や、やりがいを感じる時はありますか?
熱:ホノルル線は週に3便で定期運行してるんですけども、 夏休み期間とかはちょっと増便して、毎日運航したりします。私が1番最初の家族旅行で行った海外が、ハワイで、個人的にハワイって思い出があるんです。現地でつたない英語だけれども、現地の人と会話ができた思い出があったので、高校、大学でもちょっと留学してみようっていうきっかけになりました。 そのハワイ路線を担当できて、その便を増やせていけてるっていうことは、かつての私みたいな思いをできる人がいっぱい増えてくれるのかなって思うと、なんかすごくいいことだなって、いい仕事だなっていうのを感じます。
速:パイロットは、年に2回、技能の審査と実際にお客さんを乗せてやる審査があって、身体検査を年1回必ず受けないといけないんです。ですので、勉強も体の維持もしっかりしなくてはいけなくて、なかなか過酷なんですよね。フライトに関しては、人であったり、自然相手だったり、機械相手だったり、いつも何もないっていうことはなくて、常に何か起こる。そういうのを乗り越えて安全運航しないといけません。実際それで降りて、お客様がボーディングブリッジから見て手を振ってくれて、 あの笑顔見ると、「あ、頑張ってよかったな」と、この笑顔で助けられますね。もっと頑張ろうって思います。なので、手を振ってください!(笑)見てますので(笑)
佐:やりがいを感じるのは、お客様にありがとうって言ってもらうことです。コロナ禍で、ロンドンに行く便がほとんど欠航になってしまった時期があって、その時に私が働いていた会社の1便だけが最後に飛ぶっていうことがありました。その時にお客様が、「本当に今日飛んでくれてありがとう」っておっしゃってくださいました。コロナ禍で自分自身も結構神経質になっていたので、 そんな中でも頑張って仕事に行ってよかったなってすごく感じました。
★熱田さんにお話を聞いていこうと思います!
ー 大学生時代の留学中の生活はどんな感じでしたか。
熱:私は特殊な留学で、大学の半期を使って留学をしました。留学先がアメリカのフロリダ州のテーマパークでインターンとして働いていました。週5日、8時間働くことが学校の単位になるというところで、4年間休学しないで卒業できるプログラムでした。 ポップコーン売りとか、プールの監視員をやったりとか、寮生活して、アメリカ人、ブラジル人、中国人のみんなと6人で1つの屋根の下で生活をしていました。
美:学生時代の留学が、今なさっている仕事にどのように活きていますか?
熱:英語ができるっていうのは、やっててよかったなと思いました。 航空会社だといろんな国の人と関わる機会があるので、そういうところで1つ免疫みたいなものができるのかなっていうのもありますし、自分で生活したっていう自信みたいなものはできたなと。
ーZIPAIRで働く前に、成田空港の方で管制業務をされてたと伺ったのですが、まず管制っていうのがあまりイメージがわかないので、どのようなお仕事をされていたのか教えてください。
熱:成田空港の地上管制業務ってランプコントロールといって、地上で動いている飛行機を「右行け」「左行け」、「あなたは22番スポットです」「滑走路に向かってください」などと言って、飛行機を動かす仕事をやってました。24時間シフトでやっていて、もしかしたら速水さんとお話していたかも。
あ:すごい!なるほど。管制をやる時、いろんな国から来てる飛行機があるってことは、英語を使ってるんですか?
熱:基本は全部英語で話さないといけないです。ラジオみたいなもので、この周波数にチャンネル合わせて、例えば「ジッピー24、プッシュバックアップルーブド」 みたいな感じで言ったら、それを復唱してもらうっていう感じです。日本語だけで言ってると、例えばアメリカの航空会社とか韓国の航空会社って何言ってるかわからなくて、ぶつかっちゃったりとかするとよくないので、みんながわかる英語で、「お前は止まれ」「お前は行け」っていうことを指示します。
あ:このお仕事されていて、やりがいを感じる時はありましたか?
熱:それこそ悪天候とか、エマージェンシーの時にスムーズに動かせていけることがやりがいに繋がっていると思います。新人の方だと、自分で頭の中がこんがらがっちゃってとりあえず全部止めたりするんですよ(笑)「オールステーション、スタンバイ」って。とりあえず一旦整理させてっていうのがたまにあります(笑)でも、そうすると、待たされてイラついているパイロットが、「俺何番目だ」みたいな感じで怒ってくる。
速:そうですね(笑)
熱:300人乗ってる飛行機を10分待たせるって、結構罪なんです。それがだんだん自分の思うようにできるようになって、待ち時間が少なくできたとき。急病人が出たエマージェンシー便を早急にスポットに誘導できたりとか、 台風の時に少しでも安全に効率的にコントロールができると、少し救えたかなとか、 安全安定な運航に貢献できたかなって思う瞬間があって、やりがいを感じました。
あ:すごい責任が伴う仕事ですね…。
熱:そうですよ。でも、できると楽しいですよ。動いてるパズルを自分の思うようにやってその通りに行くと、 よしって思います。あと何分であっちが来るから今ここはプッシュバックできる!とかいろいろ考えてます。
あ:ありがとうございます。そういうお仕事されて、今の仕事に繋がってるな、活きてるなって思うことってありますか。
熱:専門用語が航空業界って多くて、それがわかるんですよね。「ATBします。」とか「エアターンバック」で戻ってくるんだとか、「STD何分です。」とか「スケジュールタイムオブディパーチャー」で出発予定時間とか。3文字で訳されてる英語がたくさんあります。広報だとそれを対外的に発表しなきゃいけない時があって、社内でバタついてる時に業界用語が理解できると良くて、管制業務が活きたなと思います。
ー現在アメリカと、アジアの国々などの路線があると思うんですけど、なぜこれらの路線が選ばれているのですか。
熱:需要を見てます。我々はボーイング787型機って300人近く乗れる大きい飛行機を運航しているので、その席を埋めるには人気のところに行かないといけないんですよね。韓国やバンコクとか、観光もできて、家族や親戚や友達もいるし、使ってもらえる人が多い路線を選んでいます。ホノルルやロサンゼルスも観光地ですし、サンノゼも意外とアジア系のルーツ持ってて日本に来ていただける人もいたりする。ビジネスで使うとかじゃなくて、家族訪問や観光を目的としている路線が今の就航地ですね。
美:いろんな理由が込められているんですね。
熱:あまりマニアックなところ行っても300人埋まらない可能性あるので(笑)
美:確かに(笑)
ーZIPAIRは環境配慮についてもたくさん取り組みされていると思います。
熱:我々は若い会社なので、これから継続していくには、環境とか事業継続、サステナブルであることは大事だよねっていうことを思って様々な取り組みを行っています。来月4月1日(※)からのホノルル線については、カーボンニュートラルというフライトが始まります。航空機は結構CO2を排出するので、それを0にできれば持続可能だよねという論理です。多分世界で初めてなので実験的にやっています。
(※:インタビューは3月におこなっています)
ー これからの展望を教えてください。
熱:会社としては、「‛‛NEW BASIC”Airline」を掲げています。新しい基準を作る航空会社になるっていうことで、みんなが常識として思っている航空会社のイメージ、高いとか、遠いとか、疲れるとかそういうものを払拭していく施策をどんどんやっていきたい、新しい基準を作っていきたいっていうのが展望ですね。
☁世界との架け橋✈~ZIPAIRのパイロットさん、CAさん、広報・路線マーケターさんにみゆきとあやながインタビュー!!~【後編】に続きます!お楽しみに✨