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ユニークさを武器にハーバードへ 「突撃!せかい部」 Vol.1 (前編)

海外を舞台に活躍する同世代とのコラボ企画、「突撃!せかい部」第二弾に登場してくださるのは、茨城の公立高校からハーバード大学に進学される松野知紀さん!

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地方公立高校からアメリカ大学合格を掴み取り注目されている松野さんに、#せかい部運営メンバーのゆうなと、ののかがお話を伺いました!

このインタビュー記事は前編と後編に分かれています。前編の今回は、海外大を志した理由からY20での活動まで、松野さんのバックグラウンドや高校での課外活動のお話をメインに伺って行きます!

ー大学進学が迫る中取材にご協力下さり、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。まずは松野さんのバックグラウンドをお聞かせください。

松野さん(以下、松):
三月に茨城の公立高校を卒業し、今秋からアメリカにあるハーバード大学に進学します。まとまった期間、海外で暮らしていた経験はなく、いわゆる帰国子女でもありません。英語に本格的に取り組み始めたのは中学に入ってからです。

「日本の外に出てみたい」
ーいつごろから海外を意識され始めたのですか?

松:
小学校6年生の時から、「アメリカの大学に行きたい」と、言ってるだけではあるのですが周りには話していました。ずっと日本に住んでいた中で、日本の外に出てみたいという気持ちがあったのと、家族で行った海外旅行などを通して、文化の違いに漠然と憧れを抱いていました。小6ながらにも、海外に住む一番現実的な手段は海外大進学だろう、と。ただその時点は英語もそこまで喋れなかったですし、周りにはあまり相手にされていなかったかな。
その後中2でオーストラリアに短期留学をし、旅行よりも深く海外の文化や日本との違いについて知りました。この体験で海外に行きたい、特にアメリカに行きたいという気持ちが固まりました。海外大受験を固く決意したのは中3の時だと思います。

「学問領域の融合で、自分の目指したい学びを」
ー特にアメリカを目指された理由を教えてください。アメリカの大学の魅力は何ですか?

松:
自分にとっては、学問領域が融合した教育が行われているのが魅力的でした。日本の教育は理系文系にわかれていて、分野ごとに独立してしまっている一方、アメリカの大学には、複数の選考を持つことができるダブルメジャーや、サブトラックというシステムがあります。複数の分野に重要な興味があるので、政治を軸に置きつつもいわゆる理系の学問にも取り組みたい自分に合っていると考えました。
また、アメリカは多様な人や考えが存在します。そこから衝突や問題が起きることなどがあれば、イノベーションも生まれます。そのような環境に4年間身を置けば様々なことが学べると思いました。

ー長期の海外経験は無いということでしたが、どのようにして英語力を高められましたか?

松:
中学に入学し、初めは学校の勉強についていくために自分でも英語の練習をしようと決めました。様々選択肢はありましたが、毎日練習できるうえ、外国の先生と話せるということで、オンライン英会話を始めました。週に一回レッスンを受けるのか、はたまた短い時間でも毎日英語に触れるのか、というのは自分の中で大きな要因でした。その頃は英語をペラペラ話したいというより、取り敢えず英語ができるようになりたいというモチベーションでした。続けていった結果、海外の先生と文化の話をしたりする所に楽しさを感じ、継続することができました。

ー苦手な部分の克服のためにされていたことを教えてください。

松:
オンライン英会話に取り組むうちに、いつの間にかできるようになったというのが正直なところです。ただ、パッと文章を組み立てるのが苦手だったので、オンライン英会話中も構文を意識しながら取り組んでいましたね。瞬間的に英語の文に落とし込む練習に特化した本にも取り組みました。皆さんの苦手が何であれ、自分が苦手な要素がどこなのかをしっかり把握することが上達の一歩になると思います。

ー海外大受験では課外活動が重視されるそうですが、松野さんが取り組まれた課外活動について教えてください。

松:
昔から飛行機好きで航空宇宙工学に興味があり、もともとは学校で物理分野の研究をしていました。高校で英語ディベート部に入部し、それからは模擬国連G20、Y20サミット(G20の付属会議)等にも参加しました。もともと取り組んでいたディベートで社会問題に関心を持ち、模擬G20で始めて政策作りに触れ、Y20で実践的な活動に落とし込んだイメージです。

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ー理系の研究から始まったのですね。

松:
そうですね。もともと飛行機好きで航空宇宙工学の道に進もうと思っていました。学校がスーパーサイエンススクールに指定されていたので、理系の研究は半ば必須で。ただ、興味本位で部活として始めた英語ディベートや模擬G20サミットを通して、政策作りを初めて体験し、そちらに面白さや重要性を感じました。

「自分が探究すべきは技術そのものより、科学を正しく使える政治」
ー興味の転換があった理由はなんでしたか?

松:
理系の研究と、部活で社会問題などについて考えることを並行していて思ったのは、計算したり、解析して相関関係を見つけている自分よりも、社会問題について考えて発言している自分の方が楽しいな、ということでした。もう一つ、物理は基本的にモノを作る学問だと考えていますが、「じゃあ現実社会を見たときに、研究者の新しい開発は社会の中で正しく使われているのか?」とすごく疑問に思ったんです。物を作るのと同じくらい、またはそれ以上に、その技術をどう使うのか、社会のどこに実装していくのかを考えるのが大事なのではなか、という思いが強くなっていきました。結果的に自分の中で、モノや技術のオペレーションに焦点を当てたいという結論に至りました。これは文理どちらも探求していたからこそ得られた視点だと思います。

ー模擬G20について詳しく教えてください。

松:
ディベート協会の選考に通り、北京で行われた模擬G20という活動に参加しました。各国の学生が参加し、政策作りや会議行動などを競う大会と言えます。ここで、政策作りが楽しいと感じたのと、賞を頂いたため一種の適性を感じました。その一方で、大会形式として結局はスキルの見せあいに注目が行き、肝心の政策の中身についてあまり議論できていないとも感じました。今度は実際の会議で自分の意見を発信したり形にしたいという目標ができ、次のY20に繋がります。

ーY20について詳しく教えてください。

松:
Y20は、G20の公式付属会議で、G20の各国から35才以下の若者が参加します。本来は大学生や若い社会人が出席するものですが、私が参加した年は20名の高校生が加われるということで、私も選考を通過し参加しました。
その年のテーマはInternational Trade、International Business & Environment, Future of Workでした。私は特に、G20としての発展途上国への貿易援助や、関税の在り方について世界中の若者たちと話し合いを重ね政策提言書にまとめ、国際機関やアメリカの連邦政府などに提出しました。自分の意見や話し合いの結果が、実際の政策にいくらかのインパクトを与えることができた重要な活動でした。

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「『心が傾く』ままに」
ー課外活動には、どのようなスタンスで取り組まれましたか?

松:
戦略を考えて、「海外大進学のためにこれをやらないと」と行動していたわけではありません。特に高校1年、2年までは心の傾くままに、受験等はあまり意識せずに色々と応募していた感覚です。もともと、家に閉じこもっているよりも外に出て動きたいタイプなんです。政策方面への興味も、興味本位で始めた英語ディベートが無かったら出てこなかったものです。

ーご自身の強みや独自性を教えてください。

松:
一言でいうと、0から1を生み出す力だと思います。例えば、私の所属していた高校の英語部は、入部当初はディベートにそこまで取り組んでいませんでした。そこから、英語ディベートに取り組む環境を整え、即興型ディベートという新しい形式に挑戦したりして、名実ともに英語ディベート部にしていきました。もう一つ得意なのは、自分が持っているリソースを現実的にとらえて、パーソナライズされた戦略を立てることです。これもディベートの話ですが、高校ディベートでは一部非常に強いチームがあります。そういったチームは、メンバーが皆帰国子女だったり中学のころからディベート経験があったりします。そのようなチームに聞いた練習や戦略をそのまま自分のチームに持ってきても、きっと成功しません。その戦略はあくまでも彼らの環境にとってベストなものですからね。自分たちがどのような条件に置かれていて、何ができて何ができないのか書き出して整理し、強いチームから聞き出した情報も参考にしつつ独自の戦略を組み立てていきました。


前半はここまでです!最後までお読みいただきありがとうございました。
後半も、受験の過程での壁や学び、読者のみなさんへのメッセージなど盛りだくさんの内容となっています。是非ご覧ください!

【後編】「仮説はほとんどの場合間違っている」
松野さんが伝えたい、挑戦するためのマインドセットとは


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